「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
 商人の卵である彼がそんなことを知っても、なんの役にも立たないはず。たとえば、こういう病やケガの患者にはどういう処置が行われるのだとか、逆にどのような処置が出来ないのだとか。

 そういう質問に答える必要はないのかもしれない。だけど、それはフェアじゃないと思った。

 彼は完璧なのかもしれない。なんでも完璧に知っておき、その上で判断したいのかも。

 だから、居合わせた医師に頼んで詳しく話してもらった。

 すると、医学的なことをバンバン質問し始めた。それらは、薬師の領域にまで及んで。

 医師も驚いているようだった。
< 46 / 294 >

この作品をシェア

pagetop