「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
 ジョフロワの碧眼は、これまでにも増して真剣みを帯びている。

 一瞬、戸惑った。というか、困惑した。そして、違和感を覚えた。なにに対してか、はわからないけれど。

 しかし、援助してもらえるといううれしさと援助にこぎつけたという達成感とで、それらはすぐに消え去った。

「もちろんです。約束します」
「では、また近いうちにお会いしましょう」

 ジョフロワが手を差し出してきたので握手を交わした。続いて、エルキュールとも握手を交わした。

 この夜、すべてをやり終えた安心感でぐっすり眠ることが出来た。
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