「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
 とにかく、だれかに頼ってもらえる。だれかの役に立てる。だれかに認められる。

 こんなにうれしいことはない。

 もっとも、認められているかどうかはわからない。あくまでも自分が前向きに考えすぎているだけのことかもしれないけれど。

 そんな慌ただしくも充実した日々をすごしているある日、テラスで書類に目を通していた。

 最近、ゆっくり食事をする暇がない。というよりか、それをする余裕がない。サンドイッチをつまみながら、あるいはパンをかじりながら書類に目を通したり、筆記をしたりしている。

 この日も、サンドイッチを片手に書類に目を通していた。
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