「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
「アイ様」

 執事のモルガンがやって来た。

 彼らは、わたしのことを「奥様」と呼びたがる。だけど、断った。

 ほんとうの「奥様」ではないから。というか、実際「奥様」ではないから。

「その、よろしいでしょうか?」

 書物に出てくるような典型的な執事の彼は、今日もきちんと執事の身なりに真摯な雰囲気を醸し出している。もちろん、茶色の髪は執事カットしている。
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