「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
 とにかく、ラングラン侯爵家のこのふたりのメイドたちと仲良くしてもらっている。支えてもらい、助けてもらっている。

 だからこそ、わたしはここにいられるのかもしれない。

 ことあるごとに、ふたりに感謝してしまう。

 まだ見ぬ夫のことを周知してもらった後、そのふたりに尋ねてみたのである。

 まだ見ぬ夫がどんな人なのかを。

 わたしが彼に一度も会ったことがないことを、だれもが知っている。尋ねてもなんらおかしくはない。
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