「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
「だ、旦那様。おやめください。違うのです」
「坊ちゃん。違いますぞ。わしらは、手伝っているだけです。ラングラン侯爵家を守り、管理されているのは、アイ様なのです」

 マルスランの言葉に、いっきに緊張が高まった。

 彼らが同時にわたしを振り返った。当然、フェリクスはその視線を追う。

 まだ見ぬ夫と初めて目と目が合った瞬間である。
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