「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
あれ(・・)は、いったいなんなのよ?」
「『あれ』ってなんてことを言うのよ、ロマーヌ」
「だって、そうでしょう? アイ様があまりにも気の毒すぎるわ」

 ロマーヌとヴェロニクがわたしの部屋にやって来た。

 部屋に入ってくるなり、ロマーヌは地団駄踏んで怒り始めた。

 それをヴェロニクがたしなめたけれど、ロマーヌはますます怒っている。

「まぁ、そうよね。『あれ』呼ばわりはひどいけれど、たしかに旦那様のアイ様への態度はひどすぎるわ」

 それどころか、ヴェロニクまでそんなことを言い始めた。

 モルガンとマルスランは、フェリクスとわたしの関係に気がついている。

 フェリクスやわたしが、わざわざ彼らに告げたわけではない。しかし、手紙はすべてモルガンやマルスランに宛てたものばかりだし、わたしはいっさい手紙を出さない。そういうことから、二人が気がつかないわけがない。

 だけど、ロマーヌとヴェロニクは気がついていない。
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