「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
「動くな。じっとしていろ」
「閣下、大丈夫ですから」

 フェリクスが止血を行っている。

 ケガを負った兵士も彼も地に両膝をつき、フェリクスが止血をしようと試みている。

 その二人の側で、もうひとりの兵士がオロオロと立ちすくんでいる。

「診せて下さい」

 三人に近づきながら言った。

 ハッと頭を上げ、こちらに振り返ったフェリクスのシャツ、それからケガを負っている兵士のシャツも血が付着している。
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