「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
「大丈夫だ。こちらに来るな」
「いいえ、大丈夫ではありません」

 フェリクスに拒否されることは想定済み。というか、ぜったいに拒否されると思っている。だから、すでにそれに対する台詞は考えていた。

「かわってください」

 フェリクスにきっぱりスッキリはっきり言った。

「はやくどいて下さい」

 さらに言った。

 わたしのその勢いに気圧され、フェリクスがサッと場所を開けてくれた。

 開けてくれた場所に両膝をつき、兵士の腕の傷を診る。
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