「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
「グルルル」

 張りつめていた気が抜けた途端、お腹の虫が騒ぎ始めた。

「まぁっ! なんてことなの。お腹の虫が反乱を起こし始めたわ」
「アイ様ったら」

 照れくささをごまかす為にわざとおどけてみせると、手伝いに来てくれている町のレディたちがいっさいに笑い始めた。

「食堂に行って遅いランチにしましょうか」

 いつもお世話になっている食堂である。

 わたしがごちそうするわけだけど、食堂のご主人夫婦はいつもほんのわずかしか取ってくれない。
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