僕と永遠を誓いましょう

「単刀直入に言う！一人ウェディングに付き合ってほしいの！」

「ひ、一人ウェディング？」

昼下がりのカフェにて、目の前に座る友達の吉岡咲良（よしおかさくら）が頭を下げる中、春川苺（はるかわいちご）は初めて聞いた言葉に戸惑ってしまう。

「一人ウェディングって何するの？」

「その名の通り、結婚式場でウェディングドレスを着て写真を撮ることだよ」

「新郎はいないの？」

「一人なんだからいるわけないじゃん」

しかし、一人ウェディングと言っても友達や飼っている犬や猫と一緒に撮影をすることも可能なのだと咲良は説明した。

「お願い！ウェディングドレス着てみたいんだけど、彼氏作るのは面倒臭いし、完全に一人じゃ恥ずかしいし、一緒に付き合って！」

「えっと……」

苺は自身の左腕を右手で振れる。女性ならば一度は憧れるであろうウェディングドレスに苺も憧れがないわけではない。しかし、苺は左腕を痛みを感じるほど強く握り締めた。