りんご飴の熱
苦い飴
今日は夏祭り♪
親友のはなちゃんと待ち合わせ中!
頑張って自分で浴衣を着てみたけれどどこか変じゃないかな?
「、、絵美?」
「勇輝」
声をかけてきたのは幼馴染の勇輝。
勇輝も夏祭りに行くのかな。
「せっかくの夏祭りにこんな所で1人か?」
「はぁ?違うし!待ち合わせしてるの!」
「、、そうか。」
もう!なんなのよ!
「、、、浴衣着たのか。」
「みたら分かるでしょ。」
何故か隣に立つ勇輝。
「え、なんで隣に立つのよ。」
「俺も待ち合わせ。」
会話が止まる。
昔はこんなふうじゃなかったのに、、。
勇輝はクールだし私はなんでかツンツンしちゃって素直に話すことすらできなくなっていた。
私達は隣の家に住んでいていつもいっしょで仲良しで、小さい頃はこの夏祭りもいっしょに来てたのにな、、。
小学校高学年くらいからそれぞれの友達と遊ぶことが増えて中学に上がった頃から話すこともほとんどなくなっちゃった。
高校も同じ学校だけど、私服久しぶりに見た。
勇輝、少し見ない間にまた背が伸びたな。
隣にいて目線が全然違うんだもん。
、、、、かっこいい、なんて思っちゃったり。
「あ!絵美!おまたせー!!ごめん、待たせちゃった??」
「はなちゃん!大丈夫だよ、行こっか!」
「、、、、。」
2人でいることが恥ずかしくなっちゃってはなちゃんの手をとり早足で移動する。
少し離れて勇輝の方を振り返るとスマホで電話をしながら別の方に歩いていっていた。
「ねえ。もしかしてあたしお邪魔しちゃった?」
「え?!違うよ!たまたま会っただけ!」
「でも勇輝くん絵美のこと守ってくれてたんじゃないの?」
「、、え?」
「だって!こんなかわいい絵美が1人でいたらナンパされ放題じゃん!あ〜家からいっしょに行けばよかった〜!」
「もう、はなちゃんたら。はなちゃんの方が浴衣似合ってるじゃん。」
2人でじゃれながら屋台の道を進んでいく。
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