召喚された魔王の花嫁…が私って本気ですか!?
魔王様は首をひねった。
「ミクルにも僕をただひとりの伴侶として認識してもらうには、どうしたらいいのかなー」
ええっ、何かする気!?
やめて、やめてっ、余計なことはしなくていいですっ。
「ど、どうしたって無理です! なにせ、昨日まで18にならないと結婚できなかったんだから」
「なら、18まで待てばいいってこと?」
「いやいや、18になったら突然、『はい、私たち結婚しましょう』みたいに、そんな簡単に切り替わるものじゃなくてですね……こういうのはふたりの気持ちが大事で……」
「気持ち……それってどんな?」
知るわけがない。彼氏すらいないのに、誰かと結婚したい、結婚しよう、と思う気持ちなんて。
だいいち……
「魔王様だって、私のことを本物の花嫁にするつもりじゃないでしょう? 私って、縁談を断るための花嫁役にすぎないんですよね?」
「えっ!?」
「えっ……」
私と魔王様は見つめ合った。
私は魔王様の瞳に捕えられてしまった。
魔王様の瞳に閉じ込められているほうの私が、段々と大きくなっていく……