召喚された魔王の花嫁…が私って本気ですか!?
昨日は鍾乳洞に連れていってくれた。
一昨日は、水面に月がぽっかり映る湖の畔。
その前は、私が『街をもう少し近くから見てみたい』ってお願いしたから、城下街の時計台だった。時計台の内部から街を覗いた。
今日は?
まばたきしている間に、自分の周りが見たこともない景色へと変わる感動は何度だって味わいたい!
けれど正直に話せば、どこの景色を見せてくれたって一緒なのかもしれない。
始めこそ景色にも目を奪われるけれど、最終的に私の意識は全て魔王様に持っていかれてしまうから。
魔王様の笑顔、手の温かさ、そして囁き声……
魔王様はデート中、別棟にいるときとは丸で異なる声色になる。
別棟では私とふたりで会話していたって、ケラケラ笑うし、ワーワー大騒ぎもする。感情がそのまま声になったように感じる。