召喚された魔王の花嫁…が私って本気ですか!?
魔王様は何にも言ってこなかったけれど、私が故意に隙間を空けたことに気づいて、わざと詰めてきた気がする。
魔王様にはこういう攻防も楽しんでいる節があると思うんだけど、気のせい?
「が、がんばってきてくださいね」
「うん……」
「とってもお疲れの様子だし、たまには早めに帰ってこられるといいですね」
「ホントだよー。僕にはもっと、ミクルと過ごす癒しの時間が必要だと思うんだよね。そうだ、今日は昨日より5分でも長く夜のデートができるようにがんばってくることにする!」
魔王様がキリッと顔を上げた。
「よっし。そうと決めたら、行ってくる!」
そうしてようやく魔王様は出発した。
ふー、やれやれ……
心臓を落ち着かせるために、深呼吸をした。