召喚された魔王の花嫁…が私って本気ですか!?
「うわー、甘酢っぺー」
レオさんが大げさに両手で顔を覆った。
けれど、明らかにウキウキしている。
それで私はますます恥ずかしくなってしまう……
「レオ、ミクル様を揶揄うのも、その辺にしておきなさい」
リナさんが掃除機をかけながら、こっちにやってきた。
「それに、私も魔王様のことは気にかかっていますよ。レオも魔王様の使い魔なんだから、もう少し心配しなさい」
「すんません。ちょっと調子に乗りすぎました」
……今のって『ちょっと』だった?
「それで、魔王様は城ではどんな様子なの? 焦らしていないで、さっさと話しなさい」
「へーい。ミクル様もごめんな。面白くって、つい」
『つい』って……ヒドくない?
「でも魔王様も大半の時間は、たぶん仕事にだと思うけど、ガーっと集中してる。それが途切れたタイミングでイライラしたり、困ったりしてるだけで……」