召喚された魔王の花嫁…が私って本気ですか!?
それは、『毎日のように入る面会がフラストレーション』という魔王様の説明とピッタリ合う、と思った。
でも、イライラするだけでなくて、困るっていうのはどういう状況なんだろう……
最高権力者である魔王様が困る? 誰かに困らせられることなんて、あるの?
「で、そのあとは、ミクル様に会いたい気持ちを募らせてたりもする。わー、魔王様も甘酢っぺー!」
レオさんが『くっくっく』と笑いながら両手で顔を覆い、指と指の間から私のことを見てきた。
恥ずかしくて、耳まで熱くなる。
「レオ、だから揶揄うのはやめなさいって」
「へーい。でも、魔王様を癒してあげられるのは、本気でミクル様しかいないじゃない?」
「わ、私?」
「そっ!」
「そんなこと言われても、私にできることなんて……」