召喚された魔王の花嫁…が私って本気ですか!?

「えー、発表があります。部屋の模様替えが終わったんで、私は本日からリナさんに料理を習うことにしました!」

「わー、何? 何作るの?」

「私はデザート係にしてもらいました。今夜のデザートから、私が作る予定なので……」

「はい、はーい! 僕にも作ってほしーい!」


ストレートにお願いしてもらえるのって、こんなにうれしいことなんだ。


「はい。魔王様の分もぜひ作らせてください」

「ホント!? だったら、何かがんばれそうな気がしてくる!」


チュッ!


待って、待って! 魔王様、今私のおでこに何した?


私は慌てて自分のおでこを押さえた。


「行ってきまーす!」


パニックに陥っている私を玄関ホールに残し、魔王様は大きく手を振って出かけていった。


「うわー、魔王様、浮かれすぎっしょ」

「ミクル様、魔王様がどれだけ楽しみにしていようと初めてなんですから、気負わずに予定通り簡単なデザートから作りましょうね」

< 130 / 229 >

この作品をシェア

pagetop