召喚された魔王の花嫁…が私って本気ですか!?
「えー、発表があります。部屋の模様替えが終わったんで、私は本日からリナさんに料理を習うことにしました!」
「わー、何? 何作るの?」
「私はデザート係にしてもらいました。今夜のデザートから、私が作る予定なので……」
「はい、はーい! 僕にも作ってほしーい!」
ストレートにお願いしてもらえるのって、こんなにうれしいことなんだ。
「はい。魔王様の分もぜひ作らせてください」
「ホント!? だったら、何かがんばれそうな気がしてくる!」
チュッ!
待って、待って! 魔王様、今私のおでこに何した?
私は慌てて自分のおでこを押さえた。
「行ってきまーす!」
パニックに陥っている私を玄関ホールに残し、魔王様は大きく手を振って出かけていった。
「うわー、魔王様、浮かれすぎっしょ」
「ミクル様、魔王様がどれだけ楽しみにしていようと初めてなんですから、気負わずに予定通り簡単なデザートから作りましょうね」