召喚された魔王の花嫁…が私って本気ですか!?

レオさんとリナさんは、やれやれ……という空気。


ふたりの声は一応耳に入ってきたけれど、すり抜けていくようだった。


私はそれどころではなかった。


魔王様の言っていた『ゆっくり恋人同士に』って、私にとっては全然ゆっくりじゃないのかもしれない!


むしろ高速だと、覚悟しておいたほうがいいのかも?


2週間と2日にしておでこってことは、唇にされてしまう日はそう遠くないんじゃ……


でも、唇にされたら、私の心臓はどうなっちゃうの?


きゃー、ムリムリムリ!


「あー、ミクル様?」


振り向くと、レオさんが何ともいえない表情で立っていた。


「今日の掃除は階段の手すりを磨くのからお願いしていい?」

「も、もちろんですっ。着替えたらすぐ取りかかります」

「その……盛り上がってたのに、何かごめんね……」


いやーっ、恥ずかしーい!

< 131 / 229 >

この作品をシェア

pagetop