召喚された魔王の花嫁…が私って本気ですか!?
レオさんとリナさんは、やれやれ……という空気。
ふたりの声は一応耳に入ってきたけれど、すり抜けていくようだった。
私はそれどころではなかった。
魔王様の言っていた『ゆっくり恋人同士に』って、私にとっては全然ゆっくりじゃないのかもしれない!
むしろ高速だと、覚悟しておいたほうがいいのかも?
2週間と2日にしておでこってことは、唇にされてしまう日はそう遠くないんじゃ……
でも、唇にされたら、私の心臓はどうなっちゃうの?
きゃー、ムリムリムリ!
「あー、ミクル様?」
振り向くと、レオさんが何ともいえない表情で立っていた。
「今日の掃除は階段の手すりを磨くのからお願いしていい?」
「も、もちろんですっ。着替えたらすぐ取りかかります」
「その……盛り上がってたのに、何かごめんね……」
いやーっ、恥ずかしーい!