召喚された魔王の花嫁…が私って本気ですか!?
「今度……」
魔王様が聞こえるか聞こえないくらいの小さな声を発した。
「今度?」
「僕の誕生日を祝う式典があって……」
「誕生日? わあ、おめでとうございます! 何たって、魔王様のお誕生日ですもんね。豪華なお祝いをするんですか?」
「まあ、それなりに……僕としては誕生日なんて正直どうでもいいんだけど、その式典にミクルを『出席させろ』って要求が出てて……『王国の公式行事に出席できない花嫁なんて認められない』とも声が上がってるんだ」
あー、その先が想像できるかも……
「それで、『出席させられないなら、出席させられる人と結婚しろ』って?」
「……そう」
だったら、私が出席すればいいだけなんじゃ……とはならないよね。
私の身を案じて、断ってくれているんだろうから。
それにも拘わらず、興味があるからその式典に出席してみたいっていうのは不謹慎?
それと、もちろん魔王様の誕生日をお祝いしたい気もするし……
何より、私が出席しないせいで、魔王様が責められるのは嫌だな……