召喚された魔王の花嫁…が私って本気ですか!?

「お客様じゃなくて、僕のお嫁さん」

「はああぁぁ!?」


わっ、びっくりした!


うやうやしさは一瞬にして、どこかにふっ飛んでいったらしい。


「こらこら、レオ。お客様の前じゃないけど、ちゃんとしてよ」

「ふっざけんなよ! 急に客連れてこられるだけでもこっちは迷惑だってのに、嫁だあ?」


私って招かれざる客……じゃなくて招かれざる嫁!?


魔王様に付いて、こんなところまでのこのこやって来たらいけなかったんだ!


でも、家に帰る方法も分からないのに、これからどこに行けば……


「ミクルちゃん、」


魔王様が優しい声で私の名前を呼んだ。


もうしゃべってもよくなったんだろう。


「ミクルでいいです」


あの体育館みたいな場所で、私のことを『ミクル』って呼んでいたじゃない。


今さら『ミクルちゃん』に直してくれなくていい。


それに高校1年生にもなって、『ミクルちゃん』は気恥ずかしいし。

< 16 / 229 >

この作品をシェア

pagetop