召喚された魔王の花嫁…が私って本気ですか!?
「お客様じゃなくて、僕のお嫁さん」
「はああぁぁ!?」
わっ、びっくりした!
うやうやしさは一瞬にして、どこかにふっ飛んでいったらしい。
「こらこら、レオ。お客様の前じゃないけど、ちゃんとしてよ」
「ふっざけんなよ! 急に客連れてこられるだけでもこっちは迷惑だってのに、嫁だあ?」
私って招かれざる客……じゃなくて招かれざる嫁!?
魔王様に付いて、こんなところまでのこのこやって来たらいけなかったんだ!
でも、家に帰る方法も分からないのに、これからどこに行けば……
「ミクルちゃん、」
魔王様が優しい声で私の名前を呼んだ。
もうしゃべってもよくなったんだろう。
「ミクルでいいです」
あの体育館みたいな場所で、私のことを『ミクル』って呼んでいたじゃない。
今さら『ミクルちゃん』に直してくれなくていい。
それに高校1年生にもなって、『ミクルちゃん』は気恥ずかしいし。