召喚された魔王の花嫁…が私って本気ですか!?
「私が前・魔王様に相談していきましょうか?」
リナさんがそう尋ねてきた。
リナさんは、テーブルの上のデザイン画を整理してスペースを作ると、休憩用のティーカップを置いてくれた。
「そうだね、そうしてくれる?」
「えっ、リナさんはあれから前・魔王様と会ってるんですか?」
「お会いしてますよ。毎朝来られますので」
「へっ? 毎朝? 来る?」
想像もしない回答が来た。
「はい。ですが早朝ですので、その時間はミクル様は就寝されていますね」
「そんな朝早くから、前・魔王様は何しに?」
「それがちょうど朝の定期便が届く時間なんです。前・魔王様は、前日に頼んでおいた品物を受け取りに来られるんですよ。そして、翌日に欲しい食料や日用品のメモをまた私に手渡してから帰られます」
リナさんは表情を変えなかったけれど、魔王様が苦笑いを浮かべた。
「人使いの荒い母親でごめんね」
「いえ。ついでで済ませられることですし、そもそも私は前・魔王様の使い魔ですので構いません」