召喚された魔王の花嫁…が私って本気ですか!?
「ミクルこそ、よく見せてよ」
「私、こういうドレスは着たことがないから、気分が高揚します」
「すごく似合ってる。ステキだよ」
「魔王様もカッコいいですよ?」
「……そお?」
あっ、魔王様は今ハシャぎたいところを必死に抑えてるな?
そんな気がした。
「あの、少しよろしいでしょうか? 提案したいことがありまして……」
さっき、『デザイナー』だと自己紹介してもらった女性だった。
「『シンプルなデザインが好み』とうかがっています。ですが、入手してくださったこのレース生地がとても素晴らしいので、もっと使ってみては? と思いまして……」
元々は私のドレスの肩を飾るだけだった。