召喚された魔王の花嫁…が私って本気ですか!?
デザイナーさんが、魔王様の首元にレースを当てた。
「タイはこれに変えてしまって……」
続いて、シャツの袖口にも当てた。
「それから、ここにも追加して……」
デザイナーさんは私のところにもやってきた。
「それからここも……」
腰から下にふわっと巻いた。
「スカート部分は二重にしてみるのはいかがですか?」
これって、魔王様が望んでいた『これでもか! ってぐらい』のおそろいな気がする……
「僕はとてもいいアイデアだと思うけど、ミクルはどう?」
魔王様は提案が大層気に入ったようだ。
威厳を保っているように見せかけておいて、瞳はランランとしている。
魔王様はもう色々と隠し切れなくなっていた。