召喚された魔王の花嫁…が私って本気ですか!?
魔王様は何かいいことをひらめいたらしい。
「この執務室も、ミクルが模様替えの案を考えてよ!」
「私がですか?」
「うん! 仕事中でも気が晴れるような部屋にしてよ!」
「でも、そうすると魔王様以外の人は執務室に居づらくなるんじゃ……」
それも寒気がするほど!
「なおさらいいよね」
悪ガキみたいに『クックックッ』と笑った。
「ダメでしょう! それに魔王様の次に魔王になる人だって!」
『えっ、何で?』と魔王様はきょとんとした。
「僕とミクルの子どもだもん。絶対気にいるよ」
ひええー!
何かを思い出した。
そうだ、召喚の翌日にレナさんが別棟を案内してくれたときにも、『子ども部屋』云々って……
だけど、あのときにはひたすら驚きしかなかった。
今は、恥ずかしくて堪らない!
「あっ、子どもはいずれね、いずれ」
そ、そうだけど!
「僕の誕生日が終わったら、模様替えの相談にのってね」
魔王様は私の真っ赤になった顔を、ニコニコしながら見ていた。