召喚された魔王の花嫁…が私って本気ですか!?

どういうこと?


自分が神隠しのようなことになっていないことに安堵もしつつも、混乱した。


そして、次に思ったこと。それは、


学校……か……


行きたくない。その気持ちは変わっていない。


けれど、不思議。


『学校か』とガッカリした割に、心は軽いのだ。


魔王様は、魔界を私が安全に暮らせる世界にするためにがんばってくれている。


何をして? とか、どうやって? とかは考えないほうがいいんだろうな、たぶん……


それは、本来ならやりたくなかったことのはず。


それだけは確かだ。考えるまでもなくわかってしまう。


それでも、魔王様は私のために迷うことなくやろうと決めてくれた。


だったら、学校くらいが何?


ここではない別の世界でだけど、魔王様……魔王様だけじゃない。リナさんやレオさんも! 私を大切にしてくれる人たちはいるんだ。


そう思えると、学校なんてどうでもよくなってくる。


あんなに私の心を占めていたっていうのにね。

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