召喚された魔王の花嫁…が私って本気ですか!?
「うちの生徒と知り合い?」
「ミクルさんは、あの子の花嫁になる子よ。つまり、私たちの義理の娘になるの」
「えっ、すごい偶然だなー」
ええーっ! そ、それって、つまり……理事長は魔王様の……?
「それよりもミクルさん、あなたの靴はどうして濡れてるの?」
「どうして……」
何て説明すれば……
教室がザワついた。
「ヤバくない?」
「やったやつ、バレたら停学とか?」
「そんなんで済む? 理事長の義理の娘をイジめたんだよ?」
「なら、退学?」
みんな適当なこと言ってるなー。
誰をイジメたかで処分内容が変わるはずないでしょ。もし変わったとしたら、学校のほうも問題ありだ。
反省文くらいがせいぜいだと思うんだけど……
それでも教室の温度が一気に氷点下まで下がった気がする。
「ねえ、ミクルさんにも私と同じスリッパを貸してさしあげて」
「そうだね。足が冷えるといけない」
理事長自らが、来客用スリッパを取りに行こうとした。