召喚された魔王の花嫁…が私って本気ですか!?
「わ、私が取りに行ってきますっ! 学級委員、代わりに出欠を取っておいて」
言いながら、担任が教室を飛び出した。
「なんだかバタバタさせてしまったみたいねえ」
担任の背中を眺めながら、前・魔王様がのんびりと呟いた。
それに対して、理事長は再度私の足元を見た。
「うーん。経営や事務仕事に専念してきたけれど、これは看過できないね。対処させてもらうことにするよ」
担任に代わって、教卓に立った学級委員が困った目でこっちの様子を窺っていた。
「あの……出欠を取ってもいいですか?」
「ああ、そうだったね。僕らはこれで失礼させてもらうよ。ミクルさん、もし時間があれば、放課後に理事長室へ来てくれないかな? もっとゆっくり話をしたいんだ。あの子の話も含めてね」
「はい、ぜひ行かせてもらいます」
「私もミクルさんのこと待ってるわ。それじゃあね」
クラスメイト全員が会話を聞いていた。
席についたときには、私を取り巻く環境は様変わりしていたのだった。