召喚された魔王の花嫁…が私って本気ですか!?
放課後まで、いくらでも時間はあったじゃない?
それなのに、どうして今なの?
一瞬だけ怒りのような感情を覚えた。
けれど、ギリギリの今までかかってしまったってことかもしれない、と思い当たった。
それってつまり、自分たちがやったことの悪質さをそれだけ理解している、とも言い換えられるわけで……
「朝、理事長たちに上靴のこと言わないでくれてありがとう……」
言わなかったんじゃない。
『イジメられてます』っていうのが恥ずかしくて、言えなかっただけ。
「それで、このあとも言わないでほしいなって……」
「私たち、停学になったら困るんだ……」
声が震えていた。
これでは、まるで私がイジメているみたいだ。
盛大にため息が漏れてしまった。
すると、彼女たちが怯えた目で私を見た。
あーあ、魔王様に『お手柔らかにお願いします』って言ったのは他の誰でもなく、私自身なんだよね……
その言葉は私に返ってきていた。