召喚された魔王の花嫁…が私って本気ですか!?

「今後は、故意に嫌がらせをしないなら」

「ありが……」

「私に対してだけじゃなくて、私以外の誰に対してもだから」


このぐらいは言っていいよね?


私はリュックを背負って、さっさと教室を出てしまうことにした。


「約束する!」

「内藤さん、ありがとう!」


彼女たちの声は、廊下に響いて聞こえてきた。


むしゃくしゃして、大股で廊下を歩いた。


けれど、ささくれ立っていた気持ちは、理事長室の前に到着するまでには凪いでいた。


私はそれどころじゃなかったのだ。


まずは、前・魔王様にドレスの生地のお礼を直接言いたい!


今朝まで着ていたあのドレス。


式典はあんなことになってしまったけれど、本当にあのドレスは気に入っていた(魔王様も気に入ってくれていた!)。

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