召喚された魔王の花嫁…が私って本気ですか!?
そんな前・魔王様の膝の上には、写真集のようなものが開かれていた。
何だろう?
「これ? 図書室で借りてきたのよ」
前・魔王様が持ち上げて見せてくれた本のタイトルは“世界のお城”。
「魔王城を派手に壊したらしくて、修復ではなくていっそのこと造り替えたいんですって」
「どうせなら人間界の城を参考にしようと思って。ミクルは王妃になったとき、どんな城だったらいいと思う?」
おかしいな? 執務室の模様替えについて相談されていたと記憶しているのに、お城全体の話になってしまっている。
「でも、魔界らしさも残しなさいね。登城する臣下たちのために」
「えー、おとなしくなっていいんじゃない?」
「貴方自身も、魔界らしいのと人間界らしいの半々が丁度いいわよ。どっちか一方に偏ると、他方が欲しくなるわ」
「えっ!?」
理事長がビクッと動いた。