召喚された魔王の花嫁…が私って本気ですか!?
「あら、嫌だ。伴侶は別よ」
「何だ、よかった。焦ったよ」
「今さら?」
前・魔王様が愛おしそうに理事長を見つめ、『ふふっ』と笑った。
「息子がいるっていうのに、何を堂々とイチャイチャしているんですか」
「貴方たちに比べたら、全然イチャイチャなんてしてないわよ」
前・魔王様は目線を下げた。
きゃあああ!
私たち、手を繋いだままっ!
特に自分の通っている学校の理事長の前で、というのが恥ずかしい……
慌てて手を引っ込めようとしたのに、魔王様は許してくれなかった。
「そうそう、ミクルに相談があるんだった」
私の手をさらにしっかりと握りながら、にこやかに話す。