召喚された魔王の花嫁…が私って本気ですか!?

2.5

私は浴槽にお湯を張っている間、歯磨きをすることにした。


バスタブの縁に座って、蛇口からドボドボお湯が注がれていくのを眺めつつ、歯ブラシを動かした。


パジャマは、召喚されたときに着ていたものを、リナさんが洗濯してくれた。


今夜は気持ちよく眠れそう。


それにしても、レオさんが自信たっぷりだっただけあって、夕食はとってもおいしかったなー。


ソテーされた魚はずいぶんとグロテストな容貌をしていたものの、それについては案外平気だった。


人間界でも深海魚はあんな感じだし(もうちょっとマイルドだけど……)。


コンコンコン……


勢いよくお湯を出していたせいで、どうやら始めのうちは聞き逃してしまっていたらしい。


何か音がする? と気づいたときには、コンッ! コンッ! と、かなり強めにドアを叩かれていた。


「ミクルー、いるー?」


魔王様だ!


「は、はーい!」


口の中の泡を洗面ボウルに吐き捨てただけで急いだ。

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