召喚された魔王の花嫁…が私って本気ですか!?
リナさんが間髪入れずに、後ろから口を挟んだ。
「魔王様の分も取り分けてありますからっ」
「だけど、僕はひとりで食べるんだろ?」
「ひとりで食べようと、味は変わりませんっ」
「でも楽しくはないよ!」
これって、まさか……魔王様、のけ者にされてスネてるの……?
「な、なら、私も一緒にいますから!」
「ホントに?」
魔王様が一瞬にして顔を輝かせた。
私を別棟に招くことができて魔王様が『浮かれてる』っていうのは、誇張でもなく真実なのかもしれない。そんな気がした。
「リナさん、そのときに私もお茶をもらっていいですか?」
「もちろんです。魔王様、花嫁として召喚されたのがミクル様でよかったですね」
「ホントだなー。優しいミクルでよかった」
こんなことぐらいで褒めすぎ!
そして何より恥ずかしすぎ!
「まだ2日目で早計ですよっ」
それでも、魔王様もすっかり機嫌を直してくれたから、いいのかな?
こうして、ティータイムが終わる頃には、リナさんやレオさんとだけでなく、魔王様とも心理的な距離を縮めることができた。