召喚された魔王の花嫁…が私って本気ですか!?
「落ちるといけないから、失礼するね」
落ちる? どこに?
魔王様の言っている意味がわからなくて、ぼんやりしていた。
その隙に、私の手を握ったまま、魔王様の腕が私の背中に回った。
そして次の瞬間、私の足は床から離れた。
えっ、これって……
お姫様抱っこ!?
気づいて心臓がバクバクし出しす。
「ま、魔王様?」
「舌を噛まないように、口を閉じてて。さ、行くよ」
『どこへですか?』と質問できる暇はなかった。
魔王様にガッチリとホールドされながら、宙を浮いたように感じた。
直後、トンッ! と、軽く突き上げられた。
いつの間にか、私の視界は一変していた。
うわー……
私は魔王様に抱きかかえられたまま、声も出せずに、ただただ感動していた。