召喚された魔王の花嫁…が私って本気ですか!?
魔王様は噴き出した。
「今の状態と大差ないと思うんだけどなー。僕が抱えるか、ミクルがつかまるかの違いしかない」
「それ、大きな違いです!」
少なくとも、“彼氏いない歴イコール年齢”の私にとっては!
「まあ、こっちのほうが、ミクルから甘えてもらってるみたいで気分いいよねー」
「私、甘えてるわけじゃ……!」
恐怖でしがみついてるんであって、決して甘えて抱きついてるんじゃなーい!
「わかってる、わかってる」
魔王様はなおも楽しそうだった。
私はこんなにも恥ずかしいっていうのに……
「……それにしても、魔族って瞬間移動もできるんですね」
これも魔法なのかな?
でも、これって戦闘魔法?
「魔族だからって、誰でも転移魔法を使えるわけじゃないよ。僕が知ってる限りだと、僕と僕の母親くらい」
「へー。珍しい魔法なんですね。でも、これができるなら、どうして毎日お城まで歩いていってるんですか?」
「この魔法が使えることは、僕も母親も内緒してるんだ」