召喚された魔王の花嫁…が私って本気ですか!?
私は首を傾げた。
「何のためにですか?」
「暗殺とかクーデターとかが実行されたときには、瞬時にその場から離れて、遠隔で反撃するから。そのことがバレてると、効果が薄くなるでしょ」
「えーっ! そんな大事なこと、私にペロっと話しちゃっていいんですか!?」
「いいよ」
そんな、あっけらかんと……
それとも、秘密を教えるくらい、私のことを信用してくれてるってこと?
「今後そんな事態になったときには、ミクルを置いていくことはしないから。ミクルに魔力を流して、ミクルも一緒に連れ出す。だから、そのつもりでいて」
なんだ、そういうこと……
有事に備えて心づもりしておけってことね……
やにわに魔王様が微笑んだ。
それを見た途端、私の心臓が騒ぎ出した。
「何があってもミクルのことは守るから」
イケメンが、月の光の下で優しい笑顔を見せたらいけないと思う!