黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
「次々と届く縁談の中には断りにくい話もあるかもしれません。特に我が国との関係性を深めたい他国の王族との話でしたら断ることは困難でしょう」

「そんな!」

「その点、私にはミオ様と共通する部分もあります。ミオ様は結婚をしたくないから縁談を断りたい。そして、私も他の縁談は断りたいのです」

「ウィル様も?」

「ええ。ミオ様が好きなのですから当然です」

「ッ!」

「私達が婚約者同士なら他の縁談話など届くことはありません。なら、このままでいいではありませんか?」

「でもこのままだと皆を騙していることになってしまいます!」

「ミオ様が私を好きになれば本当のことになります。私のこの想いは変わりません。私にもう少し時間をいただけませんか? あなたを裏切るなんてことは絶対にありません!どうか信じてください」

「……好きにならなければ? ウィル様はこの王国の次期国王様なのに結婚をしないなんて…」

「ええ。その時は私は結婚などしない。それでも私は国王としてこの王国を治められます。そして私は諦めずに何度でもあなたに愛を伝えることでしょう」

「ウィル様……」

どうしてそこまで私を?
私はこれ以上何も言えなくなってしまった。



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