黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
シエナが部屋を出てドアが閉まると、執務室の机の椅子にドサリと座った。
聖女様の力を浴びてキラキラと小さな光を放つ綺麗な花。
そっと触れるとその輝きがパッと散り、優しい温もりに包まれて身体がフッと軽くなった。
ミオ様の癒しの力で治癒される者は眠りにつき、回復する。
だが花へ込めている力では瞬時に身体がフッと軽くなり、眠りにつくことはない。
癒しの力の強弱により眠りの作用も変わるようだ。
聖女様のお披露目でもその力を存分に発揮されたミオ様は、歴代の聖女様達の中でも強い力を秘めているのではないかと言われ、ミオ様への謁見の要望も増えている。
そして、ミオ様の体力も戻られこの王国での暮らしにも慣れてきた。
流石にそろそろ外に出たい頃だ。
神殿や王宮の中に閉じ込めておくのはもう限界だ。
私の愛すべきこのエーデル王国をミオ様に紹介し、一緒に歩きたいとも思っている。
ミオ様が行きたいと言ってくださった海にも。
だが、いつかミオ様が心惹かれる相手に出逢ってしまったら…?
私はそれが怖い。
それにダニエル殿下に対しては警戒心が少ないことも気になる。
「私は髪を切ったくらいではダメか…」
あれほど目覚めを待っていたはずなのに、目覚めたら新たな悩みが出てくる。
『お願いがあります』
頬を赤くして照れながら怒るのではなく、真剣に、そして泣いてしまいそうな顔で私を見ていたミオ様。
私ではその閉ざした心を開かせることは無理なのか?
私のこの想いはミオ様にとって負担になっているのか?
「ミオ様…」
……いや、まだ気持ちを伝えたばかりだ。
焦らずミオ様の傍にいて信じてもらうしかない。
ミオ様を愛しているこの気持ちは決して変わることはないと。
聖女様の力を浴びてキラキラと小さな光を放つ綺麗な花。
そっと触れるとその輝きがパッと散り、優しい温もりに包まれて身体がフッと軽くなった。
ミオ様の癒しの力で治癒される者は眠りにつき、回復する。
だが花へ込めている力では瞬時に身体がフッと軽くなり、眠りにつくことはない。
癒しの力の強弱により眠りの作用も変わるようだ。
聖女様のお披露目でもその力を存分に発揮されたミオ様は、歴代の聖女様達の中でも強い力を秘めているのではないかと言われ、ミオ様への謁見の要望も増えている。
そして、ミオ様の体力も戻られこの王国での暮らしにも慣れてきた。
流石にそろそろ外に出たい頃だ。
神殿や王宮の中に閉じ込めておくのはもう限界だ。
私の愛すべきこのエーデル王国をミオ様に紹介し、一緒に歩きたいとも思っている。
ミオ様が行きたいと言ってくださった海にも。
だが、いつかミオ様が心惹かれる相手に出逢ってしまったら…?
私はそれが怖い。
それにダニエル殿下に対しては警戒心が少ないことも気になる。
「私は髪を切ったくらいではダメか…」
あれほど目覚めを待っていたはずなのに、目覚めたら新たな悩みが出てくる。
『お願いがあります』
頬を赤くして照れながら怒るのではなく、真剣に、そして泣いてしまいそうな顔で私を見ていたミオ様。
私ではその閉ざした心を開かせることは無理なのか?
私のこの想いはミオ様にとって負担になっているのか?
「ミオ様…」
……いや、まだ気持ちを伝えたばかりだ。
焦らずミオ様の傍にいて信じてもらうしかない。
ミオ様を愛しているこの気持ちは決して変わることはないと。