黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う

「ねぇ、シエナ様」

「はい。どうされましたか？」

「シエナ様ってお休みは月に何回あるの？ きちんと取ってる？」

私が目覚めた初日から護衛兼侍女として付いてくれているシエナ様。

「休みでございますか？」

キョトンとした顔のシエナ様。

「え？ 何それみたいな顔してる！社畜脳になっていない！？ 今までは私がここに不慣れだから休みが少ないのかなって思っていたけど！」

「私は聖女様をお守りするという代々受け継いできた仕事を誇りに思い、小さな頃から訓練や勉強を積み重ねてきました！ですので、私の目の届かない所でミオ様の護衛を者には任せたくありません！」

キッパリ言いきった！

「でもお休みももっと欲しいでしょ？ 働いてばかりだと前世の私みたいに身体壊して入院しちゃう！」

「ミオ様に癒しの力を掛けていただくこともありますので、なんともありません。むしろミオ様のお傍にいると体調が良いのです」

「え？ そうなの？」

「はい」

「でも！やっぱり心休めるゆっくりとした時間も作って欲しいの。働き方改革よ！残業も禁止！」

「ええ！？」

「シエナ様のお部屋はこの『聖女の間』のお隣だし、何かあったら伝えに行くから。シエナ様の勤務時間が終わる頃には私も部屋に戻るようにするわ。この『聖女の間』には王族の方以外の人は入れないんだし、安心でしょ？」

「し、しかし、ウィリアム様が何と言うか……」

「確かに上司の許可は必要よね！ウィル様に確認しましょう」

ウィル様に働き方改革を伝えてシエナ様のお休みを増やしてもらった。

「ミオ様の言う通りにシエナは働き過ぎですね。もっと他の者のように休みを取るべきだ。そう考えるとリックもだ。この際、働く者の労働環境を見直すことにしましょう」