黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
お茶会も終わり、ソフィー様とクロエ様は王宮に戻って行った。
ラッピングしたケーキをカゴに入れる。
ウィル様は今日は帰りが遅くなるようなので明日渡そうと思っている。
「桜を見に行こうかな」
ケーキが入ったカゴを持って部屋を出た。
危険だからひとりでは部屋の外に出てはダメだと言われているけれど、すぐ近くだし平気だよね?
神殿の桜がある丘の上に行く前に、厨房に寄った。
入口から厨房を覗くと皆さん忙しそうにしている。
そうか、夕食の準備中だよね。
お邪魔をしてはいけないわね。
「聖女様!」
料理長さんが私に気づいて声を掛けてくれた。
見知らぬ男性は苦手だけど、料理人の皆さんには何度かお会いして慣れてきていた。
しかもここの料理長さんは女性だから話がしやすくて安心だ。
「あの、お忙しい時間にごめんなさい。よろしければこれを皆様でどうぞ」
作ったパウンドケーキを料理長さんが受け取ってくれた。
「ありがとうございます!これは美味しそうなケーキですね!」
「聖女様だ!こんにちは!」
わぁっと数名の料理人の人達が集まって来てしまった!
これ以上お邪魔をしてはご迷惑よね。
「あ、あの、では私はこれで…」
ササッと厨房を後にして、桜の丘へと向かった。
「あぁ、聖女様ともう少しお話をしてみたかったなぁ」
「あんた達が急に集まるから驚かれたんでしょ?」
料理長は残念そうにしている若い料理人達を見る。
「やっぱり聖女様は可愛らしい方ですよね」
「聖女様、おひとりじゃなかったか?」
「それは心配だ!」
バッとひとりの料理人が厨房を出ると、やや強めの力で肩をガッと誰かに掴まれた。
「大丈夫ですよ。護衛はきちんとついております」
「ア、アーロ様!」
少し痛む肩を押さえながらスゴスゴと若い料理人は厨房に戻って行った。
ラッピングしたケーキをカゴに入れる。
ウィル様は今日は帰りが遅くなるようなので明日渡そうと思っている。
「桜を見に行こうかな」
ケーキが入ったカゴを持って部屋を出た。
危険だからひとりでは部屋の外に出てはダメだと言われているけれど、すぐ近くだし平気だよね?
神殿の桜がある丘の上に行く前に、厨房に寄った。
入口から厨房を覗くと皆さん忙しそうにしている。
そうか、夕食の準備中だよね。
お邪魔をしてはいけないわね。
「聖女様!」
料理長さんが私に気づいて声を掛けてくれた。
見知らぬ男性は苦手だけど、料理人の皆さんには何度かお会いして慣れてきていた。
しかもここの料理長さんは女性だから話がしやすくて安心だ。
「あの、お忙しい時間にごめんなさい。よろしければこれを皆様でどうぞ」
作ったパウンドケーキを料理長さんが受け取ってくれた。
「ありがとうございます!これは美味しそうなケーキですね!」
「聖女様だ!こんにちは!」
わぁっと数名の料理人の人達が集まって来てしまった!
これ以上お邪魔をしてはご迷惑よね。
「あ、あの、では私はこれで…」
ササッと厨房を後にして、桜の丘へと向かった。
「あぁ、聖女様ともう少しお話をしてみたかったなぁ」
「あんた達が急に集まるから驚かれたんでしょ?」
料理長は残念そうにしている若い料理人達を見る。
「やっぱり聖女様は可愛らしい方ですよね」
「聖女様、おひとりじゃなかったか?」
「それは心配だ!」
バッとひとりの料理人が厨房を出ると、やや強めの力で肩をガッと誰かに掴まれた。
「大丈夫ですよ。護衛はきちんとついております」
「ア、アーロ様!」
少し痛む肩を押さえながらスゴスゴと若い料理人は厨房に戻って行った。