黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
「ど、どうぞ。お口に合うか分かりませんが…」
食べやすいようにひとつずつ包んで持って来ていた。
包みを開いてウィル様が取りやすいようにすると、自分用だからと欠けたケーキを入れてあったことを思い出した。
「あ、この崩れたものは私が…」
欠けたケーキを下げて違うものを出そうとしたら、ウィル様がグッと近づいて私が持っていたケーキを口でパクリと食べてしまった!
「あっ!」
「うん。甘くて美味しいですね」
「い、今…!」
「ミオ様はお菓子作りもお上手なのですね。またあなたのことをひとつ知ることができました」
なんだか恥ずかしくなってまた頬が赤くなる。
しかも距離が近いんだけど!
そんな私を見てウィル様がまた微笑んでいる。
「……もしかして、からかって楽しんでる?」
「まさか!そんなことはありません。『オハナミ』が楽しいのですよ」
「桜を見ていない!お花を見て!」
「見ていますよ」
「ちょっ!わっ!ケーキが落ちちゃう!」
両手が塞がっているからウィル様を押し返すことができない!
ケーキに気を取られている間に私の肩を抱いてギュッと密着してしまった!
「ええ!? なんで!?」
「可愛いですね。ミオ様」
「か、かわッ!? ちょっ!もうッ!こういうのに慣れていないんだからやめて!」
ウィル様は私を愛しそうに見つめながら手を離した。
私が男性恐怖症であることを知っているから、嫌がることはすぐにやめてくれる。
でもウィル様だけはこんなに近くにいても平気だ。
多分、初めて会った時から優しく接してくれていたからだと思うけれど、それだけではないような気もするのはなぜだろう…?
食べやすいようにひとつずつ包んで持って来ていた。
包みを開いてウィル様が取りやすいようにすると、自分用だからと欠けたケーキを入れてあったことを思い出した。
「あ、この崩れたものは私が…」
欠けたケーキを下げて違うものを出そうとしたら、ウィル様がグッと近づいて私が持っていたケーキを口でパクリと食べてしまった!
「あっ!」
「うん。甘くて美味しいですね」
「い、今…!」
「ミオ様はお菓子作りもお上手なのですね。またあなたのことをひとつ知ることができました」
なんだか恥ずかしくなってまた頬が赤くなる。
しかも距離が近いんだけど!
そんな私を見てウィル様がまた微笑んでいる。
「……もしかして、からかって楽しんでる?」
「まさか!そんなことはありません。『オハナミ』が楽しいのですよ」
「桜を見ていない!お花を見て!」
「見ていますよ」
「ちょっ!わっ!ケーキが落ちちゃう!」
両手が塞がっているからウィル様を押し返すことができない!
ケーキに気を取られている間に私の肩を抱いてギュッと密着してしまった!
「ええ!? なんで!?」
「可愛いですね。ミオ様」
「か、かわッ!? ちょっ!もうッ!こういうのに慣れていないんだからやめて!」
ウィル様は私を愛しそうに見つめながら手を離した。
私が男性恐怖症であることを知っているから、嫌がることはすぐにやめてくれる。
でもウィル様だけはこんなに近くにいても平気だ。
多分、初めて会った時から優しく接してくれていたからだと思うけれど、それだけではないような気もするのはなぜだろう…?