黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
ギョッとして身体を固まらせた時、ウィル様とシエナ様が私を庇うようにして前に立ってくれた。

「……」

同時に私を庇ってくれたウィル様とシエナ様がお互いに顔を見合わせて睨み合っていたけど、ウィル様がサッと私の肩を抱き寄せた。

「え！？」

「実桜様、私の傍に」

「ッ！！」

男性の神官様が多いから庇ってくれているんだろうけど、こんなに密着しなくてもいいんじゃないの！？

「あなた達はミオ様に近づき過ぎです！ミオ様が驚かれるではないですか！もう少し離れてください！」

シエナ様が皆様に距離をとるように注意してくれている。

「申し訳ございません！ですが、やっと聖女様にお会いできたと思うと！」
「そうですよ！」
「聖女様とお話をさせてください！」

お待たせしていたのかしら？
１０年眠っていたもんね。

「あの…初めまして。今日はよろしくお願いいたします」

ウィル様の腕の中から出て皆さんの方を向いてペコリとお辞儀をする。

「美しい黒髪！もっと近くで…！」
「か、可憐だ…」
「あの強大で素晴らしい能力をお持ちなのに、なんて可愛らしい聖女様だ！」

また皆が近づいて来た！
するとウィル様がまたサッと肩を抱き寄せて歩いてくれて、私はこの場から抜け出すことができた。

「み、皆すごい。アーロ様がいっぱいいる感じだわ」

研究対象への目付きが怖い！
なるほど、これは近寄らない方がいいとシエナ様が言うはずだわ。

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