黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
「『お守り』という形でやっとアクセサリーを渡せたんですもんね」

「普通にプレゼントはできないからな。本当の婚約者ではないと断られるのが目に見えている」

「受け取ってくださって良かったですね。でも周りに人がいるところで急に二人の世界に入らないでくださいよ。皆が困っていましたし、気を効かせて離れてくれていましたよ。まぁ、ウィリアム殿下は牽制の意味を込めた意図的なのでしょうけどね。ミオ様が注目されていたからですね」

「……これでも実桜様は私のことをまだ好きではないと言うのか?」

「うーん。それは分かりませんが、以前よりは態度が変わってきているような気もしますね。あともう少し頑張ればいいのでは?」

「あぁ、早く結婚したい」

「いや、結婚はまだまだ先だと思いますよ。流石王妃様を溺愛している国王様の血を受け継いでいますね」

「……」

机に額を付けてまた項垂れる。

「期限は半年でしたよね?」

「……ああ」

「半年後にはミオ様とご結婚をし、国王様のお仕事を更に受け継ぐ。そして国王様が王妃様とのお時間を作れるようにする、でしたよね?」

「そうだな」

「無理そうですね」

「……今でも父上の仕事は十分に引き継いでいるが、実桜様とは今すぐにでも結婚したい」

項垂れたまま願望を口にする。

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