黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
「聖女ミオ様は何年も前から療養されていたとの噂だ」

「しかも、療養しながらも我が王国をお守りくださっていたようだぞ」

「なんと！我が王国の為に！流石聖女様でございますな…」

「確かお披露目の式典前にはよく倒れられていたとのお話もお聞きしました。とても繊細なお方なのだな」

「あの可憐な聖女様をウィリアム殿下がいつもお守りしていらっしゃる」

「おおっ！その聖女様ですぞ。黒髪もとてもお美しいですな」

「本当に。黒髪というのは、あのように美しいものだったのですね…」


王宮で国王様やウィル様、神殿長様達とこの間の試作品と歴代の聖女様の水晶と掛け合わせて新しく考案された物の話し合いを終えて通路に出たら、何人かの男性の視線を感じた。

あの方達は王宮に勤める役人のようだ。
私はまたウィル様の後ろに隠れようとしたら、先にウィル様がその視線を遮るように前に出てくれた。

この王国ではやはり聖女様は特別な存在のようで、皆の関心が高い。
今世の聖女様のお披露目で、その聖女がこの王国の王子と婚約してしばらく経過したが、まだ注目を集めてしまうようだ。
うう、あまり見ないで欲しいなぁ。


< 144 / 257 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop