黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
「ウィリアム殿下、神殿長様、ご確認したいことがございます。少々よろしいでしょうか?」
ウィル様と神殿長様が神官様とお話をしている間、通路から中庭に出られる所を見つけ、お話の邪魔にならないように静かに外に出た。
緑の木々に囲まれた中庭の木陰にある長椅子に座ると、爽やかな風が通り抜ける。
「そよ風が気持ちいいわ」
風を受けエーデル王国の美しい景色を見ながら休憩する。
ウィル様の婚約者だから余計に見られるのよね。
本当は違うのに…。
でもウィル様と一緒に過ごす時間は日々長くなってきていて、それが当たり前のようになってきている。
仕事を終えてもそのまま一緒にいたり、お茶をしたり、庭園をお散歩したり。
ウィル様の眼差しや言葉は日増しに甘くなっていて、私を見つめながら優しく微笑み、綺麗だと言いながら私の黒髪にキスをしたりする。
その度に私は照れてしまうけれど、私が気に入っている黒髪をウィル様が綺麗だといつも言ってくれることを嬉しく感じてしまう自分にも気づいていた。
この王国の人々には畏怖されていた黒髪で良かったとも思ってしまう。
この人の言葉なら本当に信じられるのかもしれない。
それに、この王国に来てからはあの悪夢を見ることがない。
この人となら…私の両親のようにならないのかもしれない。
…でも心に引っ掛かっていることがある。
ウィル様と神殿長様が神官様とお話をしている間、通路から中庭に出られる所を見つけ、お話の邪魔にならないように静かに外に出た。
緑の木々に囲まれた中庭の木陰にある長椅子に座ると、爽やかな風が通り抜ける。
「そよ風が気持ちいいわ」
風を受けエーデル王国の美しい景色を見ながら休憩する。
ウィル様の婚約者だから余計に見られるのよね。
本当は違うのに…。
でもウィル様と一緒に過ごす時間は日々長くなってきていて、それが当たり前のようになってきている。
仕事を終えてもそのまま一緒にいたり、お茶をしたり、庭園をお散歩したり。
ウィル様の眼差しや言葉は日増しに甘くなっていて、私を見つめながら優しく微笑み、綺麗だと言いながら私の黒髪にキスをしたりする。
その度に私は照れてしまうけれど、私が気に入っている黒髪をウィル様が綺麗だといつも言ってくれることを嬉しく感じてしまう自分にも気づいていた。
この王国の人々には畏怖されていた黒髪で良かったとも思ってしまう。
この人の言葉なら本当に信じられるのかもしれない。
それに、この王国に来てからはあの悪夢を見ることがない。
この人となら…私の両親のようにならないのかもしれない。
…でも心に引っ掛かっていることがある。