黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
「それなのにご婚約者になられたのはなぜなのでしょうか?」
「ッ!!」
それはお披露目の時にプロポーズをされたけれど、そうとは思わず私がウィル様の頬に触れて了承となる返事をしてしまったから。
「え、と…」
フローレンス様から敵意を感じる。
この方はきっとウィル様のことが好きなんだ。
私とウィル様は偽りの婚約者同士。
そんなフローレンス様に私は何て答えれば…。
「あなたが『聖女様』だからではないのですか? この王国で特別な存在となる聖女様だから、ウィリアム殿下はあなたを選んだのではないですか?」
その言葉にドキリとして身体が固まる。
私がこの王国に呼ばれたのは『聖女だから』。
だからこんな私でもこの王国の人達に必要とされている。
黒髪でも聖女だから…。
「……」
お披露目でプロポーズの返事をした時に『私の聖女様だ』とウィル様は言っていた。
聖女だからウィル様は私にプロポーズをしたのではないかと私も思っている。
聖女ではない、ただの『清水実桜』ならあの人は私のことなんて…。
私は何も言えないまま、ただ俯いていた。
「それはお兄様がミオ様のことを愛しているからよ」
えっ!?
後ろを振り向くと、こちらに来ようとしてくれていたシエナ様を止めているソフィー様がいた。
「あなたも見ていたはずよ。お兄様のあの情熱的なプロポーズを」
いつもは可愛らしい笑顔のソフィー様だけど、王女様らしい凛とした気品ある所作で私達の元へ近づいて来た。
そして厳しい表情でフローレンス様を見ている。
「そ、それはッ!」
「お兄様の大切な婚約者であるミオ様に、そして『聖女様』に対して無礼ではなくて?」
「……大変失礼いたしました」
フローレンス様はスッと頭を低くしてお辞儀をしてから、この場から去って行った。
「ッ!!」
それはお披露目の時にプロポーズをされたけれど、そうとは思わず私がウィル様の頬に触れて了承となる返事をしてしまったから。
「え、と…」
フローレンス様から敵意を感じる。
この方はきっとウィル様のことが好きなんだ。
私とウィル様は偽りの婚約者同士。
そんなフローレンス様に私は何て答えれば…。
「あなたが『聖女様』だからではないのですか? この王国で特別な存在となる聖女様だから、ウィリアム殿下はあなたを選んだのではないですか?」
その言葉にドキリとして身体が固まる。
私がこの王国に呼ばれたのは『聖女だから』。
だからこんな私でもこの王国の人達に必要とされている。
黒髪でも聖女だから…。
「……」
お披露目でプロポーズの返事をした時に『私の聖女様だ』とウィル様は言っていた。
聖女だからウィル様は私にプロポーズをしたのではないかと私も思っている。
聖女ではない、ただの『清水実桜』ならあの人は私のことなんて…。
私は何も言えないまま、ただ俯いていた。
「それはお兄様がミオ様のことを愛しているからよ」
えっ!?
後ろを振り向くと、こちらに来ようとしてくれていたシエナ様を止めているソフィー様がいた。
「あなたも見ていたはずよ。お兄様のあの情熱的なプロポーズを」
いつもは可愛らしい笑顔のソフィー様だけど、王女様らしい凛とした気品ある所作で私達の元へ近づいて来た。
そして厳しい表情でフローレンス様を見ている。
「そ、それはッ!」
「お兄様の大切な婚約者であるミオ様に、そして『聖女様』に対して無礼ではなくて?」
「……大変失礼いたしました」
フローレンス様はスッと頭を低くしてお辞儀をしてから、この場から去って行った。