黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
「ソフィー様、ありがとうございました」
重苦しい空気がなくなりホッとする。
「嫌なことは言われませんでしたか? ミオお姉様」
『あなたが聖女様だからではないですか?』
ソフィー様の言葉にまたドキリとした。
『聖女』ではない私はウィル様にも、ソフィー様やシエナ様にも、この王国の人達にも必要とされないのでは…。
私が思っていたことを指摘されて心に不安が拡がる。
「…はい。大丈夫です。…あの方はウィル様のお知り合いなのでしょうか?」
「一方的にお兄様のことをお慕いしているだけですわ。特に親しい訳でもございません」
「一方的にお慕い…」
「ええ。お兄様と年齢が近いからと一部では婚約者候補なんて言われていて、その気になっているだけですわ」
「婚約者候補…」
……そうよね。
この王国の王子様なんだから、良いお相手なんてたくさんいるわよね。
縁談話がたくさんあるって分かっていたはず…。
「あっ!勝手に言われていただけですわよ!お兄様はずっとミオお姉様一筋です!」
「……」
「あの!本当にご心配なさらなくて大丈夫ですわ!ミオお姉様を一途に想っているのはお兄様以外にいらっしゃいません!それはもう、執念を感じるほどに一途です!」
「……」
私は何をショックを受けているのだろう。
いずれ婚約を解消するつもりだというのに…。
重苦しい空気がなくなりホッとする。
「嫌なことは言われませんでしたか? ミオお姉様」
『あなたが聖女様だからではないですか?』
ソフィー様の言葉にまたドキリとした。
『聖女』ではない私はウィル様にも、ソフィー様やシエナ様にも、この王国の人達にも必要とされないのでは…。
私が思っていたことを指摘されて心に不安が拡がる。
「…はい。大丈夫です。…あの方はウィル様のお知り合いなのでしょうか?」
「一方的にお兄様のことをお慕いしているだけですわ。特に親しい訳でもございません」
「一方的にお慕い…」
「ええ。お兄様と年齢が近いからと一部では婚約者候補なんて言われていて、その気になっているだけですわ」
「婚約者候補…」
……そうよね。
この王国の王子様なんだから、良いお相手なんてたくさんいるわよね。
縁談話がたくさんあるって分かっていたはず…。
「あっ!勝手に言われていただけですわよ!お兄様はずっとミオお姉様一筋です!」
「……」
「あの!本当にご心配なさらなくて大丈夫ですわ!ミオお姉様を一途に想っているのはお兄様以外にいらっしゃいません!それはもう、執念を感じるほどに一途です!」
「……」
私は何をショックを受けているのだろう。
いずれ婚約を解消するつもりだというのに…。