黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
第六章 聖女の恋
今日はこの王国で目覚めてから初めて外出をする。
午前中に仕事を終わらせて、今は準備をしているところだ。

広い神殿や王宮を行き来したり、庭園を散歩したりしていたから引きこもっていた訳ではないけれど、この王国の素敵な街並みを見ていたらやっぱりその中を歩いてみたい。
10年振りに動かす身体はすぐに疲れていたけれど、もうすっかりと元に戻ったし、シエナ様と街に行くことにした。
それに今日は半年毎に開催される王都のお祭りの2日目。
王宮や神殿の侍女さん達、ソフィー様やクロエ様のお話を聞いたら、私も行きたくなった。
少しだけお祭りも見てみたいとシエナ様にお願いをしている。

いつものドレスではなく、ブラウスにスカート、編み上げのブーツという動きやすい格好だ。
ブラウスには襟や袖口に細かい刺繍が、スカートの裾にはアクセントに細い青いリボンが飾られていてとても可愛らしい。
この可愛い服もソフィー様が用意してくれていた。

そして、黒髪の迷信を信じている人はおそらくまだいるだろうということで、念の為に黒髪はまとめ髪にして帽子を被って隠している。


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