黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
「これが馬車！」

思っていたより座り心地がいい！
初めて乗る馬車に感動しつつ街並みを眺める。
そして馬車に並走して馬に乗りながら護衛をしてくれているシエナ様。
あまり目立たないように街を歩きたいので、シエナ様もいつもの騎士服ではなく、シンプルなシャツとパンツスタイルだ。
それでも格好良く着こなしているシエナ様に目が釘付けだ。

「こちらがこの街のメイン通りから少し離れた場所でございます」

馬車から降りると賑やかな通りの裏手にいることが分かった。
石畳の通りに２階建てほどの家が並び、小さな商店や広場もある。

「わぁ、素敵！ヨーロッパの街並みみたい。本当に違う所に来たのね。ビルもなくて空がとても広く感じるわ！」

たくさんの子供達の笑い声も聞こえてきた。
広いお庭で走りながら遊んでいる。

「フフッ。こういうのどかな景色はどこも同じね。もしかしてこの世界の学校かな？」

「ああ、こちらは……」

シエナ様と話をしていたら元気な女の子に声を掛けられた。

「ミオおねえちゃんだ！」

「あっ！アニーちゃん！」

今話をしていたたくさんの子供達がいた所から、大きなカゴを持ってアニーちゃんが出てきていた。


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